酪酸菌とは
酪酸菌(らくさんきん)とは、腸内で酪酸と呼ばれる短鎖脂肪酸を産生する細菌の総称である。医療の現場では「宮入菌(Clostridium butyricum MIYAIRI)」として知られ、整腸剤ミヤBMの主成分として1933年から90年以上にわたり使用されてきた。
特長:芽胞形成能
酪酸菌の最大の特長は「芽胞(がほう)」を形成できる点にある。芽胞は細菌が過酷な環境に耐えるための殻のようなもので、胃酸や胆汁酸にさらされても死滅しにくい。このため、生きたまま大腸に到達しやすい。
酪酸の役割
酪酸菌が腸内で産生する酪酸は、大腸上皮細胞の最も重要なエネルギー源である。大腸上皮細胞が必要とするエネルギーの約70%は酪酸から供給されるとされ、腸管バリア機能の維持、免疫バランスの調整(制御性T細胞の誘導)、悪玉菌の増殖抑制などに関与する。